まずFD活動の一環として、学生の学習意欲向上や結果の共有によって授業改善を図ろうとの大きな目的がありました。そこで、従来OCRで行ってきた授業評価アンケートでは、授業中に記入時間をとらなければならないこと、配布や回収に30分近くかかってしまうこと、集計に膨大な時間がかかることなどが問題視され、WEB化が検討されました。
そういった中、C-Learningではアンケート結果が即時集計されることが大きく評価されました。これまで授業の最終週ころになってようやく集計結果が配布されていたために、なかなか授業改善につながらなかった反省があったからです。また、C-LearningはPCだけでなく、スマホやタブレットにも対応していたため、新たなインフラを必要とせず教室内で行えることはコストメリットにもつながりました。
紙からWEBに変わるわけですから、当然不安を持たれる先生方もいらっしゃいます。導入決定後は、御社の協力を得て、教職員を対象とした研修会やデモンストレーションを何度か行うことで、簡単な操作で済むことを十分にご理解いただきました。
また、本学は傾斜地に建っているため、通信環境に多少の難がありました。これも御社に実地調査を行ってもらい、電波状況の悪い教室でのアクセス方法や対策などを学内にレクチャーしていきました。
今回最も力を入れたのが、学生への告知です。新入生に対しては、オリエンテーションでミニアンケートを行い、その場でC-Learningにログインしてもらい、操作に馴染んでもらうことから始めました。在校生に対しては、実施の1ヶ月前からHPと学生専用サイトで告知しています。さらに2週間前には立て看板を出すなど、QRコードからシステムにアクセスしてもらうきっかけづくりを行ってきました。アクセス方法を書いたチラシも配っています。
アンケート回収の時間が短縮される事はもちろんわかっていましたが、特に履修人数の多い科目で、OCRで30分かかっていたものが5分でできたことには、驚かされました。
先生方からは、「紙のときよりも簡単になった」という声を多くいただき、安心しました。先生同士で評価を見比べながら意見交換をされるなど、副次的な効果もあったと聞いています。
学生については、匿名性が担保されるのかといった不安もあったと思うのですが、紙の時と同じように協力してもらえました。前期科目での回収率が56.2%と、前年度とほぼ同じ水準。導入時は下がると聞いていただけに、大変嬉しく思っています。
まず、アンケートの回収率をさらに高めることが重要だと考えています。その上で、学生へのレスポンスの方法が課題となってくるでしょう。公開レベルも徐々に上げていきながら、本来の大目標である教育改善につなげられるよう、 様々な取り組みを進めていきたいと思います。